アン・エリザ・リーク

アン・エリザ・リークは1839年12月23日、ジョージア州で生まれた。彼女は非常に信心深く、四肢欠損者のパフォーマンスにおける神の在り方を定め、衣服にはフリー・メーソンのシンボルを縫いつけるなど、一風変わった思考を持っていた。また彼女のショーの後援者たちは、彼女のそうした考え方に神は憤慨していない、との見解を示し、あくまでも彼女を支持したという。

彼女はまた自分に腕がないのはアルコール中毒であった父親のせいであると信じていた。それは、ある日パブから帰った父親がコートを着込まずに肩からかけ、その姿を妊娠中の母親が見たことによるといったものだが、こうした「妊娠刻印説」は古いフリークスの原因解釈として、古典的なものである（そして現在はもちろん妊娠刻印説は誤りであると言われる）。

彼女はファンにサインを求められた時、自分のポートレート写真に足を使って器用に、意味深なメッセージを書いたといわれる。それは例えば、「手がなければ、足が代わりをする。もし貴方が私の姿を信じるならば」といった詩的なものから、「怠情と楽、それは精神の錆である」といった訓戒の場合もあった。