チャールズ・トリップ

Bowen Tripp

チャールズ・B・トリップは1855年、カナダのウッドストックに生まれた。トリップには腕がなかったが、衣服を着ること、髭をそること、ものを書くこと、それらを全て足で器用にこなした。しかしそれだけではない。彼はその過酷なハンディキャップを克服しただけではなく、熟練した家具職人としても名声を得たのである。事実、彼は生涯を通じて家具職人として生計を立て、その作品には足で非常に精巧な羽目木細工を施した事で知られる。

一方で、チャールズはサイドショーにも出演している。かのP.T.バーナムのショーに加わり、約50年もの間、様々なサイドショービジネスに関わって諸国を巡業した。サイドショーにおいては、彼は足を使って文章や肖像画、紙細工などを器用にこなし、その人格から皆の尊敬を集め、しばし"腕無しの写真家"としても活動した。

人生も曲がり角に達した頃、チャールズは結婚したが、生涯、子供をもうけるはことはなかった(妻と撮影された写真は現存していない)。晩年はノースカロライナ州サリスベリーの老人ホームで静かな余生を過ごし、1939年、84歳でこの世を去った。