エリ・ボーウェン

Eli Bowen3

サイドショー・フリークスの中でも屈指のハンサムと呼び声高いエリ・ボーウェンは1844年、オハイオに生まれた。彼には十人の兄弟がいたが、他の子供達は皆健常であった。エリには脚がなかったが臀部には小さな足のような突起があった。幼い頃から、彼は手を使って自由に歩き、腕で身体を持ち上げては身体を回転させることが出来た。またその卓抜した腕力のおかげで、彼は成人後、サイドショーにおいて軽業師のごときアクロバット芸を見せた。

彼がサイドショーに初めて出演したのはまだ13歳のときである。ブラウン・コロシアムやミッド・ウエスタン・サーカスといったショーに出演して各地を巡業し、1870年代には全米ツアーを行い、その後はP.T.バーナムらと共にヨーロッパツアーに出た。そして26歳のとき、エリはマッティー・ハイトという女性と結婚し、五人の子供をもうけた。彼の息子の一人は判事となり、また別の子は商人となって大きな成功を収めたと言われる。1903年、エリは引退し、カリフォルニアのオグデンで余生を送った。

「この広い世界、一番の珍奇!」

彼のショー・パンフレットにはそう記されている(自転車に一緒に乗っている写真の男性は友人、チャールズ・T・トリップである)。