マーガレット・クラーク

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まずはじめに、彼は、決して本物の奇形者ではない(しかしパスカル・ピノン然り、19世紀のサイドショー文化において彼のことを無視するわけにもいかず、ここに例外的に取り上げることにする)。"マーガレット・クラーク"として広く知られた彼は、その本名を、ビリー・ロッジソンといった。彼は偽物の寄生性双生児をマーガレットと名付け、そして両性具有を演じるときはビリーの名でサイドショーに登場した。即ち、彼は一人で二役、偽の奇形を演じていた。それ故この写真の顔は布で覆い隠されているのである。

サイドショー文化に詳しいワード・ホール氏は彼の存在について次のように述べている。

「ビリーはお腹の(作り物の)寄生性双生児をマーガレット・クラークと呼んでいたよ。ビリーは主に両性具有=ドラッグ・クイーンの役を演じたが、寄生性双生児を演じるときは、マーガレットとして名を使いわけていたわけだ。クロード・ベントレーのショーにおいては、ビリーはジェリー・ロスという名でも出演していた。ビリーには二人の兄弟がいたが、彼らもまた、両性具有の役を演じたり、時にはマーガレット・クラークを"借りて"使うこともあった。

兄弟のうち一人は"ルイス・ロッジソン"という名でもう一人は"ピンキー・ペッパー"としてそれぞれショーで働いていた。良く覚えていないが、そのうちのどちらかは60年代に何者かによって殺されていると思う。彼らはケンタッキー州ルイスヴィルの出身で、クレオ・レニーという名の偽両性具有がでっち上げたショーで働いていた。

当時は私もマーガレット・クラークを欲しかった。一個同じようなのを持っていたが、作りが悪くてとても使えたものじゃなかった。今でもいいのがあったら欲しいものだ(そして誰かに使わせてみたいね)」