ロニー・ガリヨンとドニー・ガリヨンは米国に暮らす現在最長寿の結合双生児(2009年にギネス認定)であり、大人の男性結合双生児として暮らす、(知られた限りでは)唯一の存在である。二人は1951年10月28日、米国のオハイオに生まれた。胸骨から鼠蹊部にかけて結合し、それぞれ別に二本の足を持ちながらも生殖器官は一つで共有している。二人には法的にも別々の人権が認められ、別々の投票権、そして別々のソーシャルセキュリティナンバーが与えられている(しかし、何故か ー あるいは当然か ー パスポートは二人で一つである)。ガリヨン兄弟は、多くの結合双生児と異なり、帝王切開を用いずに産まれた。二人には他に6人の兄弟がいる。
ガリヨン兄弟は30歳になるまで、様々なサーカスやサイドショーに出演し、生計を立てて暮らしていた。しかし現在、彼らはもはやショービジネスの世界から引退し、オハイオ州で暮らしているが、住所などは明らかにされていない。それは引退後、彼らに対する嫌がらせや脅迫が相次いだからであると言われる。二人は自分たちで稼いだ資金で立派な一軒家を建て、兄弟の一番末っ子、ジムと共に暮らしている。二人の趣味は野球であり、共にシンシナティ・レッズの大ファンであるという。
二人は今でも、サイドショーに出演していた頃のことを、"古き良き思い出"であると語っている。例えその生活は決して優雅とは言えない日々 ー トレーラーハウスの中、効かないクーラーの前でテレビを見ては時間をつぶし、窓越しに中を覗こうとする連中を追い払う ー であったにも関わらずである。
しかし引退後も、彼らは自由な人生をのんびりと楽しみ、再びサイドショーに出演したいかとの問いには「もう戻らないだろう」と答えている。またあるとき、彼らは分離手術について考えたことがあるかと訪ねられたが、二人は声を揃えてこう言い放ったという。
「絶対にあり得ないね!シャペル姉妹と一緒だよ。もし分離するときが来るとしたら、僕らのうちどちらかが死んだときだけだね」