ジャコモ・バティスタとジョバンニ・トッチは、1877年10月4日、イタリア、トリノのロカーナで19歳の母親と32歳の父親の間に生まれた。彼らは生後1ヶ月から見世物としてサイドショーに出演し、"双頭の少年"あるいは"合体兄弟トッチ"などと宣伝された。二人はおそらく史上最も有名な二顔体奇形である。彼らは二つの頭に四本の腕、そして一つのペニスに三つに割れた尻、二つの脊柱に仙骨、未発達の肛門を持っていた。しかし彼らはその身体を支える十分な筋肉を持たなかったため、いつも六本の四肢を用いて、床を這うようにして移動したと言われる。
彼らは共に一本づつ足をコントロールしていたが、ジョバンニ側(左)の足は内反足を患っていた。また二人の性格は大きく異なり、ジョバンニは知的で喋り好き、そして芸術の才能を発揮した。しかし、あるいはそれ故か、ジャコモは対照的に芸術の才能はなく、寡黙にして内向的な性格であった。
彼らは常に組み合わさった側の腕の位置に苦労し、その腕を互いに相手の肩に回すか、今日伝わるその写真の姿のように、互いに手を握り合って上に掲げていた。トッチ兄弟は見世物として世間に晒されることを嫌悪し、また彼ら両親の扱いはぞんざいなものであったと言われる。20歳になったとき、彼らは姉妹をそれぞれ娶り、イタリアに戻って隠遁生活を続けた。そして1940年、63歳でこの世を去った。
マーク・トウェインは彼らの姿を描いたビラ広告に刺激され、小説『Pudd'nhead Wilson(邦題:まぬけのウィルソンとかの異形の双生児)』を書いた。そこでトウェインは、決して行われなかった二人の分離手術を描いている。